はじめに|みつばちのダンスって何を伝えているの?
みつばちは、仲間に「エサの場所」を伝えるためにダンスをします。
でも疑問が出ます。
・なぜ踊るだけで場所がわかるの?
・方向はどうやって伝えるの?
・においも関係あるの?
・ダンスがなくても探せるのでは?
この記事では、受験にも使えるレベルで
みつばちのダンスの仕組みを論理的に解説します。
① みつばちのダンスとは何ですか?
■ ワグルダンスとラウンドダンスの違い
みつばちのダンスは大きく2種類あります。
● ワグルダンス
8の字を描くダンス。
遠くのエサ場を伝える。
● ラウンドダンス
円を描くダンス。
近い場所(数十m以内)を伝える。
② みつばちはどうやって「方向」を伝えているの?
■ なぜ角度で方向がわかるの?
ワグルダンスの直線部分の角度がポイントです。
巣の中では「上」が太陽の方向とみなされます。
たとえば:
・真上に進めば → 太陽の方向
・右45度なら → 太陽から右45度の方向
つまりダンスは
太陽を基準にした地図(ベクトル情報) なのです。
みつばちは太陽の移動も計算して補正します。
③ 距離はどうやって伝えるの?
■ なぜ“時間”が距離になるの?
ワグル(振動)の時間が長いほど遠い場所。
これが距離の符号です。
研究では:
・視界に流れる景色の速さ(光学流)
・飛行時間
が距離感覚に関係していると考えられています。
つまり
空間を“時間”に変換しているのです。
④ ダンスだけで本当に伝わるの?
■ におい・振動・触覚も関係している?
答えは「ダンスだけではない」です。
補助信号があります。
✔ フェロモン(化学物質)
✔ 触角での接触
✔ 腹部の振動
ダンスは“主信号”。
においと振動が“補助信号”。
複合通信システムなのです。
⑤ みつばちのダンスは本当に正確なの?
この疑問は長年議論されてきました。
研究者
Karl von Frisch
はダンス言語を提唱し、1973年にノーベル賞を受賞しました。
その後のレーダー追跡研究でも、
ダンスを見た蜂が目的地近くへ向かうことが確認されています。
ただし、
・環境が単純なとき
・花が多いとき
はダンス依存度が下がる可能性も指摘されています。
つまり
状況依存型の高度な情報戦略と考えられています。
⑥ なぜみつばちのダンス研究が重要なの?
応用分野が広いからです。
✔ 養蜂(効率的な放蜂)
✔ 農業受粉戦略
✔ 群ロボット通信
✔ 環境モニタリング
ロボット蜂研究では
ダンスを模倣する装置も開発されています。
生物の情報伝達は、
人工知能や通信理論にも影響を与えています。
まとめ|みつばちのダンスは“空間を時間に変える言語”
重要ポイントを整理します。
✔ 角度=方向
✔ 時間=距離
✔ におい・振動=補助情報
✔ 状況に応じて使い分ける
みつばちのダンスは
単なる踊りではなく、
抽象的な地図を伝える行動です。
受験対策では:
「方向は太陽基準」
「距離はワグル時間」
この2つを確実に覚えておきましょう。
参考リンク(本文中にリンクは貼っていません — 参照元まとめ)
- Karl von Frisch — Nobel Lecture (1973).
- The flight paths of honeybees recruited by the waggle dance — J. R. Riley et al., Nature (radar tracking, 2005).
- The Scent of the Waggle Dance — C. Thom et al., PMC (2007).
- Neuroethology of the Waggle Dance — H. Ai et al., PMC (2019).
- Design and development of a robotic bee for the analysis of honeybee dance communication — T. Landgraf et al. (ロボット蜂研究)

