はじめに
「亀って何を考えているの?」
「感情とか気分ってあるの?」
「正直、ぼーっとしてるだけに見える…」
こう感じたことがある人は多いと思います。
結論から言うと、
亀にも“感情に近い状態”がある可能性が、研究で示されています。
この記事では、
・なぜ亀の感情が分かりにくいのか
・実際にどこまで分かっているのか
・飼育でどう活かせるのか
を、最新の研究をもとに分かりやすく解説します。
なぜ亀の気持ちは分かりにくいのか
結論
表情や鳴き声が少ないため、感情が見えにくいだけ
生物学的な理由
哺乳類は顔の筋肉や発声で感情を表現しますが、
爬虫類はその機能が発達していません。
つまり、
「感情がない」のではなく
「表に出ない」だけの可能性があります。
日常での例
・犬 → 尻尾で感情が分かる
・猫 → 表情や声で分かる
・亀 → ほとんど変化が見えない
この違いが「何も考えていない」と誤解される原因です。
リクガメの研究で分かったこと
対象はアカアシガメ(Chelonoidis carbonaria)です。
結論
環境によって“楽観的・悲観的な判断”が変わる
実験の仕組み(簡単に)
「認知バイアス」という方法が使われました。
これは、
曖昧な状況でどう判断するかを見ることで
その個体の感情状態を推定する方法です。
人間でいうと、
同じ出来事でも
・前向きに捉える人
・悪い方向に考える人
がいるのと同じです。
実験結果
・環境が良い個体 → 積極的に行動(楽観的)
・環境が単調な個体 → 慎重・回避(悲観的)
つまり、
亀の行動は「その時の感情状態」に影響されている可能性があります。
なぜ亀にも感情があると考えられるのか
結論
脳の基本構造は共通しているため
生物学的な理由
脊椎動物(魚・両生類・爬虫類・鳥・哺乳類)は
共通の祖先を持ち、脳の基本設計も似ています。
そのため、
・刺激に対する評価
・経験による変化
といった仕組みは共通しています。
分かりやすい例
「危険な場所を避ける」
「安全な場所を好む」
これは単なる反射ではなく、
経験に基づいた判断です。
この積み重ねが、
感情に近い状態と考えられています。
飼育でどう変わるか(ここが一番重要)
結論
環境次第で行動も健康状態も変わる
具体例
・隠れ家がある → 落ち着く
・レイアウトが変わる → 刺激になる
・単調な環境 → 動きが減る
なぜ起こるのか
刺激の少ない環境では、
行動の選択肢が減り、活動量が低下します。
これは人間でいうと
「ずっと同じ部屋に閉じこもる状態」に近いです。
どうすればいい?
・レイアウトを変える
・登れる場所や隠れ家を作る
・餌の配置を工夫する
こうした工夫で、
探索行動や活動量が増える可能性があります。
よくある誤解
誤解①
亀は何も考えていない
→ 行動として見えにくいだけ
誤解②
環境はシンプルでいい
→ むしろ刺激不足になる可能性
誤解③
反応が遅い=鈍い
→ 代謝が低いだけで、判断はしている
まとめ
・亀にも感情に近い状態がある可能性
・環境によって行動が変わる
・飼育環境は行動と健康に直結する
「動かない生き物」ではなく、
「静かに反応している生き物」と考えると理解しやすいです。
参考文献・出典
- プラズマ.org: “Cognitive bias in red-footed tortoises suggests mood-like states”
- Animal Cognition Journal 2025年版
- 動物福祉における認知行動研究のレビュー


