「ユッケはダメになったのに、
馬刺しや牛のたたきは今でも食べられるのはなぜ?」
「新鮮なら、生で食べても大丈夫なんじゃないの?」
こうした疑問を、一度は感じたことがあるかもしれません。
結論から言うと、
生で食べられるかどうかは「鮮度」では決まりません。
この記事では、
- なぜ生で食べられる肉と食べられない肉があるのか
- 科学的にどこが違うのか
- 私たちは日常で何を基準に判断すればいいのか
を、
専門知識がなくても納得できる形で解説します。
結論|生で食べられるかどうかは「肉の中身」で決まる
結論はとてもシンプルです。
生で食べられる肉と食べられない肉の違いは、
「肉そのものに、危険な菌が入り込みやすい構造かどうか」です。
ポイントは3つあります。
- 動物ごとに「腸内細菌の種類」が違う
- 筋肉の構造によって「菌が入り込む場所」が違う
- 食肉処理の段階で「リスク管理ができるか」が違う
「生=新鮮だから安全」
ではありません。
生物学・科学的理由|なぜ肉によって危険度が違うのか

① 腸内細菌の“性格”が違う
動物の体内には、必ず細菌がいます。
問題はどんな細菌が、どれくらい危険かです。
- 牛・馬
- 腸内にいる細菌は、人に強い害を出しにくいものが多い
- 筋肉内部は基本的に無菌に近い
- 鶏・豚
- カンピロバクター、サルモネラなど
- 少量でも食中毒を起こしやすい菌が多い
つまり、
同じ「肉」でも、持っている菌の性質がまったく違うのです。
② 筋肉の構造が「菌の侵入」を左右する
ここが重要なポイントです。
- 牛や馬の筋肉は、繊維が密で厚い
- 表面に菌が付いても、中まで入り込みにくい
一方で、
- 鶏肉は筋繊維が細く、水分が多い
- 解体や処理の段階で、菌が内部まで広がりやすい
例えるなら、
- 牛肉:分厚い壁のある建物
- 鶏肉:ドアと窓が開いた家
この構造の違いが、生食リスクを大きく変えています。
③ 「表面を削る」ことでリスク管理できるか
生で食べられる肉は、
食肉処理の段階で危険部位を取り除けるという前提があります。
- 牛のユッケ・たたき
- 表面を削ぎ落とす
- 内部の清潔な部分のみ使用
- 鶏肉
- 表面と内部の区別が難しい
- 処理しても菌が残りやすい
だから法律・ガイドラインでも、
鶏の生食は原則NGとされています。
日常生活との関係|私たちにどう関係するのか

この違いを知らないと、
こんな誤解が起きやすくなります。
- 「新鮮な鶏なら大丈夫」
- 「地鶏だから安全」
- 「自己責任なら問題ない」
実際には、
- 新鮮でも菌はいる
- ブランドや産地は関係ない
- 体調や年齢でリスクは跳ね上がる
特に、
- 子ども
- 高齢者
- 胃腸が弱っているとき
は、
軽い気持ちの選択が重い結果につながることもあります。
じゃあどうすればいい?|現実的な判断基準

基本ルールはこれだけでOK
- 牛・馬でも「生食用」と明記されたものだけ
- 鶏・豚は基本的に加熱前提
- 外食で出されても「安全とは限らない」と理解する
不安な人向けの選択肢
- 表面をしっかり焼いた「たたき」
- 低温調理でも中心温度管理されたもの
- 自宅では無理をしない
「全部避ける」必要はありません。
「選び方」を知っておくことが大事です。
よくある誤解・注意点

- ❌ 鮮度が良ければ安全
- ❌ 高級店なら問題ない
- ❌ 体が強いから大丈夫
食中毒は、
体調・運・タイミングにも左右されます。
「知って避けられるリスク」は、
避けておくのが一番です。
まとめ|知っているだけで防げることがある
生で食べられる肉と、食べられない肉の違いは、
- 鮮度の問題ではない
- 好みや文化だけでもない
- 生物学的に決まっている
という点にあります。
難しい理屈を覚える必要はありません。
「なぜ違うのか」を知っておくだけで、選択は変わります。


