川の石を持ち上げると、カゲロウやカワゲラ、トビケラなどの幼虫が見つかることがあります。これらはまとめて「川虫」と呼ばれることがありますが、水中でどうやって酸素を取り込んでいるのでしょうか。実は、種類によって呼吸の方法が異なります。
水の中にも酸素がある
川虫が利用するのは、水に溶け込んだ酸素(溶存酸素)です。魚と同じように水中の酸素を使いますが、必ずしも魚のようなエラを持つわけではありません。水温が高いほど水に溶けられる酸素の量は少なくなる傾向があるため、水温や水の流れは川虫の暮らしに関わります。
呼吸方法は種類によって違う
1. エラを使う
多くのカゲロウ幼虫は腹部などに薄いエラを持ち、水と接する表面から酸素を取り込みます。エラを動かして周囲の水を入れ替える種類もいます。
2. 体の表面から取り込む
カワゲラ類などでは、体表からのガス交換が重要な種類もいます。エラの有無や位置、発達の程度は分類群によって違い、一律には説明できません。
3. 巣と水流を利用する
トビケラには石や砂などで巣を作る種類がいます。巣の中や体の周囲に新しい水が流れることは、呼吸に役立ちます。ただし、すべてのトビケラが同じ巣や呼吸方法を持つわけではありません。
どうして水の流れが大切なの?
体の表面近くでは酸素が消費されます。水が動くと酸素を含んだ水が入れ替わりやすくなり、ガス交換に有利になる場合があります。一方、流れが強すぎると流される危険もあります。そのため、川虫は石の裏や隙間など、流れの影響を調節できる場所を利用します。
もちろん、川虫の分布は酸素だけでは決まりません。流速、水深、川底の粒の大きさ、餌、天敵、水温なども関係します。
川虫を観察するときのポイント
- 石の表面と裏側のどちらに多いか
- 流れが速い場所と緩やかな場所で種類が違うか
- 腹部や胸部にエラらしい構造が見えるか
川虫を観察する場合は、川の安全を確認し、石を動かしたらできるだけ元の状態に戻しましょう。種類の判定には、エラだけでなく脚や尾、頭部などの形も必要です。
まとめ
川虫の呼吸にはエラや体表が関わり、水温や水流によって酸素の取り込みやすさが変わります。身近な川の石の下には、流れの中で生きるための多様な工夫が隠れています。
関連する話題は、「なぜ川虫は石の下にいる?」でも紹介しています。

