スマートウォッチは、心拍数や最大酸素摂取量（VO₂ Max）、ストレスレベル、睡眠、カロリー消費量など、健康やフィットネスに関するさまざまなデータを取得する機能を備えています。光学式心拍センサーを使ってリアルタイムで心拍数を測定し、日々の運動や心肺機能の指標としてVO₂ Maxを推定することで、運動の成果を確認することができます。また、心拍変動（HRV）に基づきストレスレベルを評価し、睡眠中の体動や心拍数から睡眠サイクルを分析して睡眠の質を把握します。さらに、活動量と心拍数データを用いて、日常生活や運動中のカロリー消費量も算出し、ユーザーの健康管理や体重調整を支援します。スマートウォッチは、これらの情報を通じて生活習慣の改善や健康維持に役立つツールです。
心拍数の計測
スマートウォッチの心拍数計測は、光学式心拍計（Photoplethysmography、PPGセンサー）という技術を使っています。この技術では、緑色のLEDライトを皮膚に照射し、その反射を検出します。血液は光を吸収するため、心臓が拍動するたびに血流が増え、LEDの反射率が変化します。この変化をセンサーが検出し、心拍数をリアルタイムで算出します。PPGセンサーは非侵襲的で、運動中や日常生活の中で心拍数を測定するのに便利です。これにより、運動の強度やストレスレベルの把握が可能となり、健康管理に役立ちます。
最大酸素摂取量（VO₂ Max）の推定
VO₂ Max（最大酸素摂取量）は、身体が運動中にどれだけの酸素を効果的に使用できるかを示す指標です。スマートウォッチでは、心拍数や運動中の加速度データを組み合わせ、VO₂ Maxの推定値を算出します。ウォーキングやランニングのデータを基に、どの程度の酸素を必要としているかが推定され、身体の持久力や心肺機能の指標としてVO₂ Maxが表示されます。これにより、トレーニングの成果や心肺機能の改善を追跡でき、運動の質を高めるのに役立ちます。また、年齢、性別、身長、体重といった個人のデータも考慮し、個人ごとに最適な指標を提供します。
ストレスレベルの計測
スマートウォッチは、心拍変動（Heart Rate Variability、HRV）を使ってストレスレベルを推定します。HRVとは、心拍間のわずかな変動を指し、これが大きいほどリラックスした状態とされます。HRVは、心拍の規則性をチェックすることで自律神経のバランスを把握できるため、ストレスの度合いを推定するのに役立ちます。ウォッチがリアルタイムで取得する心拍数の変化からHRVを計算し、日常のストレス管理に応用します。さらに、ユーザーにストレスが高まっているタイミングを通知し、リラックスを促す機能が付いている場合もあります。
睡眠のモニタリング
睡眠モニタリングは、心拍数や体動センサー、場合によっては皮膚温度センサーなどを用いて行われます。スマートウォッチは、心拍数や身体の動きのパターンを検出することで、ユーザーがどのタイミングで眠りに入ったかや、深い睡眠や浅い睡眠のサイクルを把握します。特に、深い睡眠中は心拍数が低下し、身体の動きも少なくなるため、これらのデータから睡眠の質を分析できます。朝には、睡眠時間や各段階での滞在時間、睡眠の深さの指標が表示され、ユーザーが日々の睡眠パターンを把握して、睡眠改善の参考にできるようになります。
カロリー消費量の推定
スマートウォッチは、心拍数や加速度センサーから得られるデータを基に、日常や運動中のカロリー消費量を推定します。まず、年齢、性別、体重、身長などの基礎データに基づき、安静時代謝量（RMR）が設定され、これを基に日常生活の消費カロリーを計算します。運動中は心拍数や加速度センサーのデータをもとに運動強度を判別し、その強度に応じた消費カロリーが算出されます。この推定値を通じて、ユーザーは食事や運動計画を調整し、健康的な体重管理を行う助けとなります。
