トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種で、炭素間の二重結合が「トランス型」と呼ばれる直線的な配置を持つ化合物です。この特徴的な構造により、トランス脂肪酸は通常の不飽和脂肪酸(シス型)とは異なる物理的特性を持ちます。特に、飽和脂肪酸に近い性質を示し、細胞膜の流動性に影響を与えます。

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トランス脂肪酸は基本的に体に悪い油です。健康になりたい方はこちらの記事をご参照ください!
トランス脂肪酸の構造と特徴

- トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種で、炭素間の二重結合が「トランス型」の配置を持っています。
- トランス型では、二重結合の両側の炭素鎖が直線的に並びます。
- 一方、通常の不飽和脂肪酸(シス型)は、二重結合の位置で炭素鎖が折れ曲がる形状をしています。
- この「直線的な形状」により、トランス脂肪酸は飽和脂肪酸に近い物理的特性を持ちます。
細胞膜の流動性とは?

細胞膜は、主にリン脂質二重層から構成され、膜の流動性はリン脂質分子の移動や柔軟性を指します。この流動性は、以下の要素に依存します:
- 脂肪酸の構造(直線的か曲がっているか)
- 炭素鎖の長さ
- 二重結合の数と配置
流動性が高いほど、細胞膜は柔軟で、膜内のタンパク質や分子が自由に動ける状態を保ちます。これが、正常な細胞機能に重要です。
トランス脂肪酸が流動性を低下させる理由

- 直線的な構造が膜を硬化させる
トランス脂肪酸の直線的な構造は、膜内での分子間の密なパッキングを可能にします。これにより、細胞膜が硬化し、流動性が低下します。- 飽和脂肪酸(例:ステアリン酸)と似た作用を持ち、細胞膜をより凝集した状態にします。
- シス型脂肪酸のように曲がっていないため、膜内に隙間を作りません。
- 二重結合の影響が弱い
トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸でありながら、シス型の脂肪酸ほど膜流動性を高める効果がありません。- シス型の二重結合は、分子を「曲げ」、隙間を生むため、膜を柔軟に保ちます。
- 一方、トランス型ではこの効果がほとんどないため、飽和脂肪酸と似た特性を示します。
- 膜内タンパク質の機能への影響
トランス脂肪酸が細胞膜を硬化させると、膜内に埋め込まれたタンパク質(受容体や輸送体)の移動や機能に影響を及ぼします。これが、細胞全体の機能低下につながる可能性があります。
トランス脂肪酸の健康への影響

細胞膜の流動性低下により、以下の健康リスクが高まると考えられています:
- 炎症の誘発
細胞膜が硬化すると、免疫応答が正常に行われず、慢性的な炎症が引き起こされる可能性があります。 - 細胞シグナル伝達の障害
膜タンパク質の動きが制限されることで、ホルモンやシグナル分子の伝達が阻害されます。 - 心血管疾患のリスク
硬化した細胞膜は、血管内皮細胞の正常な機能を妨げ、動脈硬化の進行に寄与します
。トランス脂肪酸が細胞膜の流動性を低下させる主な原因は、その直線的な構造にあります。この構造は膜を硬化させ、細胞の柔軟性や機能に影響を与えるため、健康への悪影響が懸念されています。シス型脂肪酸や不飽和脂肪酸を積極的に摂取することで、細胞膜の健康を維持することが推奨されます。