【実は身近にもある!】3Dプリンターの原理と弱点解決のための研究について

サイエンス

 3Dプリンターは、最近数万円で買うことができるようになり、とても身近なものとなりました。3Dプリンターは、いろいろな業界で使われており、製品化に向けたサンプル作成に主に使われています。そんな3Dプリンターは現在も進化しています。そんなものづくりの最先端に立つ3Dは現在どのように進化しているのでしょうか?

3Dプリンターの原理と機能

 3Dプリンターは、コンピューターが制御する機械装置で、デジタルデータから物体を造形するための技術です。主な原理は、造形物をレイヤーごとに素材を積み重ねて作り上げることです。通常、プラスチックや金属などの材料を使用し、ヘッドから出る溶解した材料をレイヤーごとに積み重ねていくことで立体的な物体を作り出します。3Dプリンターは、医療、製造業、建築業、教育などのさまざまな分野で利用されており、低コスト化やカスタマイズ可能性の向上によりますます普及が進んでいます。

3Dプリンティングの応用分野

 3Dプリンティングは、その柔軟性と多様性からさまざまな分野で応用されています。医療分野では、カスタム医療具や生体内に合った器具の製造、さらには臓器や組織の生体内埋め込み用のバイオプリンティングなどが行われています。また、製造業ではプロトタイプの迅速な製造や部品のカスタマイズが可能であり、建築業では複雑な構造物の模型や部品の製造に利用されています。教育分野でも、3Dプリンターを活用したSTEM教育やクリエイティブな活動が行われており、学習意欲の向上に貢献しています。

モアイ研究所
モアイ研究所

STEM教育は、子どものうちからロボットやITに触れて、自ら学習する能力を身に着けようという教育方法です。

3Dプリンティングの未来展望

 3Dプリンティング技術は、今後さらなる進化が期待されています。材料の多様化や性能向上により、より複雑で耐久性のある製品の製造が可能になると予想されます。また、大規模な建築物やインフラ構造物の建設においても3Dプリンティングが活用され、建設業界に革新をもたらす可能性があります。さらに、バイオプリンティング技術の発展により、臓器や組織の生体埋め込み用の製品の開発が進み、医療分野において生命を救う革新的な治療法が実現するかもしれません。

しかし、3Dプリンターは造形物の印刷に長い時間を要します。それを改善するために研究が進んでいます。それについて、次で解説します。

スタンフォード大学のすごい研究

 3Dプリンターの弱点の一つともいえるのが、印刷時間の長さです。スタンフォード大学の研究者たちは、従来の印刷方法よりも5〜10倍高速なプリンティング方法の開発しています。この革新的な手法は、同時に複数の異なる材料を導入できることで、従来の一層ずつの印刷では不可能だった複雑な構造の作成が可能になります。さらに、新しい光を利用した彫刻技術により、上からの積層ではなく、物体の表面から直接彫刻する方法が提案されています。これにより、レイヤーごとに積み重ねていく3Dプリンターの印刷方法ががらりと変わり、見た目も変わり、高速な印刷が可能になることでしょう。

おわりに

3Dプリンターは、デジタルデータから物体を造形するための革新的な技術です。しかし、その印刷速度が遅いという課題があります。スタンフォード大学の研究者たちは、この課題に取り組み、新しいプリンティング方法の開発に成功しました。今後も3Dプリンターの進化は続いていくでしょう。

モアイ研究所
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私たちの生活に密接にかかわる日も近いかもしれませんね。

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